【美しい心はウソ発見器】 最近は、脳を調べる技術の精度が上がり、 ウソをついたときの脳の活性を測ることができるとか・・・ ウソをつくだけで脳の活動パターンが変わるのですが、 実は美しい心は、ウソ発見器よりも精度が高いと いうことがわかってきました。 人が知らない人に会った時、 最初から信頼できる人だと思うタイプ(信頼タイプ)と、 まずは疑って見て、本当に信じられるとわかるまで 信じないタイプ(疑念タイプ)の大きく2つのタイプに 分けられます。 どちらのタイプが騙されにくいのでしょうか? カナダのトロント大学 カーター博士らが 人を信頼することとウソを見破ることの関係を調べています。 就職活動直前の学生さん29人に面接の練習をしてもらいます。 その際、面接官役の人たちには、どの学生さんを採用したいか という視点で質疑に応じてもらいます。 学生さんには、2回、面接練習を受けてもらいます。 どちらも、採用されるようにベストを尽くしてもらいますが、 1回目と2回目では、以下の条件で面接練習に臨むよう 伝えられます。 1回目の条件は、「ウソを言わないこと(正直に答える)」 2回目の条件は、「3つの大切な項目で自分を良く見せるように ウソを言うこと」 面接官役の人たちが、「この学生は信頼できそうだから、 本番だったら採用するだろう」と判断したら、 学生は20ドルがもらえます。 (学生たちに面接を真剣に受けてもらうための報酬です) こうして行われた面接練習の学生の様子をビデオ録画しておきます。 そして、1回目の「正直に答えた」学生の中で、面接官役の 人たちから最も信頼できると投票されたトップ4人と、 2回目の「ウソを3つ言った」学生の中で、最も信頼が 高かったトップ4人の、計8本の録画したビデオを用意します。 ここまでは、この実験のための準備です。 さて、今度は別のビジネススクールの学生46人に 協力してもらい、いよいよ本題の 「人を信頼することとウソを見破ることの関係」 を調べる実験を開始していきます! この46人の学生には、あらかじめ性格診断テストをしてもらい、 人を信じやすい性格なのか、疑う傾向にある性格なのかを 調べておきます。 ここでは、信じやすい性格の人を「信頼者」、 疑い深い性格の人を「疑念者」と呼びます。 この「信頼者」と「疑念者」の人たちに、 先ほど準備した8本の面接練習ビデオを見てもらい、 自分が面接官だったら、どの人を採用したいかを決めてもらいます。 さあ、どんな結果になったと思いますか?! この研究の予想では、「疑念者」=疑い深いということは リスクを察知する力が高いということで、ウソも見破りやすい のでは?と考えられていました。 ところが、この実験の結果は、 「信頼者」のほうが、ウソを見破った人が多かったのです。 さらに興味深いことに、あらかじめ行った性格診断テストに よると、「信頼者」として選ばれた人たちは、 『人のために』という気持ちが強い傾向があることがわかりました。 つまり、私心(エゴ)のない、美しい心でいると、 ウソをついているか、正直かといったことを含む いろいろなことが見えてくる、という研究結果が出たのです。 美しい心は、ウソ発見器と同じ、いや、それ以上に 真実を見抜く力を持つということのようです。