【考え方・気持ちが遺伝子の構造を変える!】 考え方や気持ちというのは、頭の中だけのことで、 まさか、身体の中の遺伝子の構造にまで 影響を及ぼすとは思っていないかもしれません。 ところが、ここ2〜3年の研究から、そうではない、 ことが明らかになってきました。 スイス バーゼル大学のウンテメーラー博士らが、 約二千人を4年間にわたり追跡調査をし、 気持ちが前向きか、後ろ向きか、によって 体の遺伝子の構造に変化が起こるかを調べました。 具体的には、ドイツのトリーアという町に住んでいる 人たちの協力を得て、2006〜2009年の間に3回、 血液を採取するとともに、その時の気持ちの状態の アンケートを取り、心理的な変化による血中の遺伝子 構造を解析しました。 その結果、気持ちが前向きになっている時と 後ろ向きになっている時とでは、信頼や愛情に必要な 脳内物質であるオキシトシンの生産に関わる遺伝子の 構造が変化していることがわかったのです。 気持ちが前向きの時は、オキシトシンが生産される 遺伝子の構造になっているのですが、後ろ向きな時は、 なんと、オキシトシンが生産されない遺伝子の構造に 変わっていたのです。 これはつまり、後ろ向きな気持ちでいると、人と信頼を 築いたり、愛情を表現したりすることが難しくなって しまうことを示唆しています。 確かに、気持ちが後ろ向きになるような、苦しい状況に なると、なかなか他の人のことを気にかけてあげられなく なってしまいますよね。 でも、そんな時、自分の気持ちが後ろ向きになっている ことに気が付いたなら、「感性的な悩みをしないで、 前向きになろう」と考えて、気持ちを切り替えることで、 遺伝子の構造を変化させることもできます。 自分の気持ちや考え方が遺伝子の構造自体をも変化させて しまうのだとしたら、いかに前向きの気持ちを保つことができるか、 そのためにはどんな考え方をすればいいのか?ということが、 幸せに生きていくために、とても大切だということがわかりますよね。 ちなみに専門的なことを知りたい人のためのワンポイント説明を すると、遺伝子の構造の変化というのは、DNAのメチル化を 指しています。 最新の脳科学の研究では、今までの常識を 覆すようなことがいろいろ見つかってきています。 今後も皆様のお役に立つような 情報をお伝えできればと思います。